ロートの配信(13)
※引き継ぎ語り手は、ミサトです。
ふと目を覚ますと、昨日まで白かった冷蔵庫が、いつの間にか真っ赤になっていました。
幻覚かもしれないと一度目をつぶり、もう一度見ましたがやはり真っ赤でした。
(何者かが寝ているあいだに侵入し、冷蔵庫を赤いタイプに取り替えた!?
いやちょっと待って、そんな目的の分からない事する人、いるわけない!!
認めたくはないけど、やっぱり幻覚としか…)
☆
そこまで考えたとき、赤い冷蔵庫がパカっと開き、なかから少女が現れました。
「ギャー‼️不審者‼️」
思わず絶叫し、全力疾走で玄関を出てドアを閉めました。
そこまでしたあと、昨日の出来事を思い出しました。
(たしか私、しばらくロート王女とかいうヴァンパイアと暮らす予定だった。
そう考えると、さっきの少女がロート王女なのでは?
だとしたら相当、失礼な事をしてしまった事になる…。
確認する予定だった床文字のメッセージも、寝落ちして見れなかったし…)
私は勇気を振り絞り、もう一度ドアを開けました。
☆
するとそこには、赤いショートヘアに赤い眼球の、12歳くらいの女の子がいました。
ゴスロリ風のワンピースを着ています。
「えっと、あなたがロート王女ですか?」
私が聞くと、女の子はドギマギしながら1枚のカードを私に見せました。
『日本語は、まだほとんど分かりません』
聞いたことのない外国語で独り言を言うと、さらに別のカードを見せてきました。
『はじめまして。私がロート・ハール王女です。しばらく泊めさせていただきます。よろしくお願いします』
(…そっか……ドラネさんが言ってた『ロート王女』って、この子のことなのね……)
☆
数分後。
私は自宅に戻り、朝ごはんの準備をしていました。
ちょうどご飯が炊けたので、それに納豆をかけ、サバ缶も別のお皿に開けました。
ロート王女とかいう謎の少女もいるので、2人分作りました。
そこまで出来たとき、はっと気づきました。
(そういえば、納豆って苦手な人、多いんだった……)
↑ストーリーとは全く関係ありませんが、疲れたときや身体を動かす前などにオススメのゼリーです。
味も良し👌