ヴァンパイア連邦共和国

標茶町(しべちゃちょう)ヴァンパイア協会です。

ロートの配信(15)特別編(後半)

★前回までの復習★

 

異世界から来たヴァンパイアの『ロート・ハール』は、『ミサトさん』という人間の家に居住中。

 

・使い魔の猫がやってきて、噛みつかれたロートは気絶中。

 

 

ふと目を覚ますと、ロートは真っ暗闇のなかにいました。

 

(おかしい。ヴァンパイアの魔法で自動的に明るく見えるはずなのに、そうならないという事は、魔法を無効化する魔法をかけられているってこと。これは非常に危険なことのはず)

 

(それにしても、ここは一体どこなんだろう?)

 

身体の感覚から、自分が今立っていることは分かるのですが、星1つ無い真っ暗闇で魔法も使えないので、ここが一体どこなのか見当もつきません。

 

 

「自分が今、どこにいるかも分からないようだな。ロート・ハールよ」

 

どこからともなく、聞き覚えのある男性の声が聞こえてきました。

 

「その声は!?えっーと、たしか…密林の騎士団の……トップの人……。誰だっけ?」

 

「俺の名を忘れるとは良い度胸だな。俺の名はイカロス・イカロ。イカロ地方ナンバーワンの犯罪組織『密林の騎士団』の創始者だ!」

 

「ああ、たしかそんな名前だったわね。王子という身分でありながら、違法薬物に手を染めて逮捕されたことで、王室を永久追放されたお馬鹿さんでしょ?」

 

「テメー、誰に口聞いてると思ってんだ!?過去はどうであれ、俺は今、犯罪組織のトップなんだぞ?」

 

「そんなこと分かってるわ。お得意先の麻薬農家をドラネさんに空爆されて、経営が大ピンチになった犯罪組織でしょ?」

 

「テメー、人を怒らせる天才か!?」

 

「そうですが、何か?」

 

「さてはテメー、自分が今、どういう状況か分かってないな!!」

 

「分かる必要はないわ。あんたみたいなポンコツが私を誘拐してドラネさんに何がを要求したところで、すぐに失敗するのは目に見えているから」

 

そのとき、急に電気がついたかのように辺りが明るくなりました。

 

魔法を無効化する魔法が解除されたのでしょう。

 

目の前には、イカロス・イカロ。

 

男性でありながら銀の長髪で、犯罪組織『密林の騎士団』の幹部以上の制服である、真っ白いスーツを着ています。

 

全体的に白っぽいので、赤い眼球がやけに目立ちます。

 

通称、バカロス。

 

かつてイカロ地方の王子という身分でありながら、違法薬物に手を染め王室を追放された経歴から、ネット上や口コミでは『バカロス』と呼ばれています。

 

その後、『密林団』という犯罪組織で麻薬販売に携わるも、『元・王子とは信じられないほど仕事が出来ない』と上司に馬鹿にされた事に激高し、魔法による暴力を振るったとして、『密林団』を追放された…と週刊誌には書かれていますが、真偽は不明です。

 

それから約一年後、『密林の騎士団』という犯罪組織を自ら立ち上げました。

 

『密林の騎士団』はイカロ地方に麻薬を蔓延させ猛威を振るっていましたが、お得意の麻薬農家をドラネさんに空爆されてからは、下り坂です。

 

 

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※ストーリーとは話題が変わりますが、4月はカルト集団が流行りがちで、魔術結社を名乗る洗脳組織も多数活動中なので、皆さんお気をつけ下さい。

当たり前ですが魔術結社を名乗るマトモな団体などほとんど無いと言ってよく、パッと見の人当たりの良い洗脳のプロや詐欺師まがいも多いので、魔術結社を名乗る団体は基本は真っ黒だと知っておきましょう。

たとえ魔術関係者を名乗る人に向こうから話しかけられても、詐欺師の言葉には耳を傾けないのが賢い行動です。

詐欺師は、いかにも優しく筋道立てて、理路整然と嘘をつくケースが多いので、声を聞くだけで『猛毒』だと考えましょう。

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